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社会保険労務士・行政書士
テクノート佐藤事務所
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電話:03-5480-4800
能力主義と成果主義
≪21世紀の人事・賃金制度の方向≫
1.日本型人事・賃金システム
日本における賃金体系は、1975年頃、それまでの年功主義賃金から能力主義賃金に転換し今日に至っていますが、21世紀は、能力主義を維持しながら欧米で導入されている「成果主義賃金」の導入が求められています
一方、日本の人事制度は、組織と言う集団の論理から外れた場合に評価を減点していくと言う、減点主義人事制度を土台としていましたが、高齢化が進む中、これでは組織を活性化することはできないと言う考えに移行しています。これからは、個人の論理を優先させ、チャレンジや自己主張を高く評価する「加点主義人事制度」の導入が求められています
2.日本型雇用システムの特性
@賃金と仕事が結びついていないので、配置転換や職種転換が容易に行える
A終身雇用を前提としているので、長期的に人材の育成ができる
B社員の雇用と生活の安定が図れる
C労組関係の安定が図れる
3.日本と欧米との賃金システムを比較すると・・
<日本>
人間の持っている能力を基準として賃金を決定する「能力主義」
『社員の成長に視点をおく人間基準の人事・賃金システム』
<欧米>
仕事の成果を基準として賃金を決定する「成果主義」
『社員の仕事の成果に視点をおく仕事基準の人事・賃金システム」
4.能力主義賃金システムの特徴
能力とは、過去習得した知識や経験の累積を言うので、原則1年ごとに能力が上がったと評価されます。ですから、能力主義では、賃金は定期的に昇給(同じ場合もある)しますが降給することはありません
※賃金は、上がる or 同じ
5.成果主義賃金システムの特徴
成果主義賃金には、役割給や業績給があり、各人の役割の重要性や仕事の成果を勘案して賃金を決定しますので、賃金が定期的に昇給することはありませんが、成果の変動に応じて賃金が上下します※賃金は、上がる or 同じ or 下がる
6.成果主義人事制度のメリット・デメリット
<メリット>
定期昇給がなく、仕事の成果が落ちれば賃金も下がるので、
@人件費の柔軟性に優れている
A高齢化社会に向け人件費のコストを押さえられる
<デメリット>
成果主義賃金は、仕事と賃金を結び付けているので、
@異動・配置転換等が難しい
A新しい技術の導入が容易でない
B企業として社員を育てづらい
C社員の雇用や生活が安定しない
7.能力主義人事・賃金の問題点
@景気の後退
現在の日本の賃金カーブは、定期昇給2%、その他1%の合計3%の右上がりカーブになっており、能力主義人事・賃金システムを維持するには、4%以上の成長がなければなりません。しかし、景気の後退により日本は、いわゆるゼロ成長時代に入っています
A高齢化による人件費の増大
これまでの日本の賃金体系は、妻も子供もいない若い内は賃金が低く設定され、年をとったら賃金が高くなると言う、生活給体系を中心として考えられていました。ようするに賃金を生涯ベースで清算すると言う考え方です。でも、この方法は、45歳以前の若い世代が多い時代にあっては問題無かったのですが、団塊の世代が50代を越えた今、仕事の成果以上の人件費を支払っていかなくてはならない時代が到来しています
B能力と実力のミスマッチ
能力主義でいう「能力」とは、入社してからずっと蓄積された知識や経験、貢献度を言います。ですから、能力は会社に長く居れば当然高くなります。しかし、構造改革が進む中、過去に身に付けた能力が必ずしも役には立つとは言えなくなっています
また、仕事の処理能力である「実力」においては、高度情報化社会の今日、一般的に若い人の方が知識や技術の修得が早く、年齢が高くなるに従って体力の低下等から仕事の処理能力が遅くなっている現状にあります。
このように能力主義賃金では、賃金の高さに比例して実力が上がっていないという現象が起こって来ます。
8.成果主義賃金のしくみ
成果主義賃金の具体的な形は、「役割給」と「業績給」になります
役割給とは、
責任と権限を各人に割り振って、その役割を評価して賃金を決定します
業績給とは、
各人ごと、各部署ごとに目標を定め、その到達度(成果)を評価して賃金を決定します
役割と業績は、短期よりも1年単位で評価する方が相応しく、「年俸制」として導入することが望ましいと言われています
9.成果主義賃金が成立するポイント
<導入のポイント>
@目標面接制度の確立…目標面接の有効性
A役割評価制度の確立…役割評価の公平性
B業績評価制度の確立…業績評価の客観性
<成功のポイント>
人件費の節約という後ろ向きの考え方ではなく、成果主義賃金の導入によって、社員のやる気や意欲を向上させるという姿勢で望むことが大切です
10.年俸制とは
@年単位で賃金額が決められる
A役割と業績で賃金額が決められる
B年俸の有効期間は1年
(注)
労働基準法で「賃金は毎月1回以上、一定の期日に支給しなくてはならない」と定められているので、年俸制であっても賃金は毎月支給しなくてはなりません
また、法定労働時間(週40時間)以上労働した場合には、年俸で賃金が定められていても残業手当は支給しなくてはなりません
11.年俸制のタイプ
年俸制には、現在、次ぎの4つのタイプがあります
月俸(基本年俸)+賞与 月例支給分と賞与を区別して支給する 基本年俸+業績年俸 年俸を基本年俸と業績年俸に分けて支給する 基本年俸+期末賞与 基本年俸には賞与も含むが、期末に超過利益があれば別途賞与を追加支給する 基本年俸 年俸1本で支給する
12.減点主義から加点主義へ
日本の人事システムは、集団画一主義人事と言われ、個人は常に集団の指示を待ち、それに背いたら減点されると言う「減点主義人事」の方法が取られてきました
これは、「平和で豊かな日本を作ろう」と言う集団の共通の目標があったから成立していましたが、その共通の目標が達成した今、集団主義から個別主義へと転換しなくてはならない時期に来てきます
個別主義人事になることにより、個人はこれまでのように指示を待つのではなく、個人個人が考えチャレンジするようになります。これを評価することが「加点主義人事」です
13.21世紀の人事・賃金制度の方向
これからの人事・賃金制度の方向性としては、
以下の3点を上手に活用することが重要なポイントです
人事・・・・能力主義
賃金・・・・成果主義
評価・・・・加点主義