社会保険労務士・行政書士
テクノート佐藤事務所
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総報酬制について

法改正日(平成15年4月1日)の情報を記載していますのでご注意ください

1.総報酬制とは?

平成15年4月1日より、厚生年金保険法と健康保険法の総報酬制が施行されます。

総報酬制では、これまで別扱いとされていた賞与も「報酬」と捕らえ
年金計算や保険料徴収の際の基準に組み込む仕組みとなります。

2.どのような部分が変わるの?

一番、変更が多いのは、「厚生年金保険」の方です。具体的には、以下の点が変わります。

(1)総報酬制では、賞与からも月額の給料からも
  同率の保険料が徴収されます

(2)総報酬制では、賞与と月額の給料を合わせて
  「平均標準報酬額」を算出し、年金額を計算します


(3)総報酬制では、賞与と月額の給料を合わせて
  「総報酬月額相当額」を算出し、在職老齢年金を計算します


3.標準報酬月額と標準賞与月額

これまでは、支払われた給料額をそのままの数値で保険料額を計算するのではなく、
「標準報酬月額」という数値に置き換えて、その数値に保険料率を掛けることで、
保険料を算出していました。
総報酬制になっても、その仕組みは同じです。

月額に支払われる給料については、これまでと同じ「標準報酬月額」とし、
賞与については、「標準賞与額」として計算に使用されます。

4.標準賞与月額の決定方法

総報酬制では、賞与を「標準賞与月額」としますが、その決定方法は次のよう行います。

@賞与が支払われた月に、被保険者ごとに「標準賞与月額」を決定します。
A標準賞与額は、そのとき支払われた賞与額の1,000円未満を切り捨てた額とします。
B1回の標準賞与額は150万円(健康保険法では年間累計額540万円を上限とします。

5.保険料は?

総報酬制では、「標準報酬月額」と「標準賞与額」のそれぞれに、
同率の保険料率を掛けて保険料
を算出します。
現在決定している保険料率は以下のとおりです。(平成22年1月現在)

厚生年金保険料率 健康保険料率
153.5/1000 都道府県別に定められた料率
     (注)負担は労使折半になります。
6.総報酬制の月次の手続きはいつから?

総報酬制の導入は、平成15年4月1日からですので、新しい保険料率で計算するのは、平成15年5月支給の給料からになります。何故なら、社会保険料は、前月分の保険料を翌月分のお給料から控除することになっているからです。

<具体例>
■4月支給の給料
4月支給分から控除する社会保険料は3月分ですので、
旧保険料率の(厚年)173.5/1000 (健保)82/1000を使用して計算します。

■5月支給の給料
5月支給分から控除する社会保険料は4月分ですので、
改正後の保険料率の(厚年)135.8/1000 (健保)82/1000を使用して計算します。

※料率は法改正日(平成15年4月1日)のものです
7.定時決定は?

月額に支払われる給料から「標準報酬月額」を決定する方法は、これまでと同じですが、
定時決定の時期が1ヶ月繰り上がり、以下のとおりに変更になります。

改  正  前 改  正  後
8月1日に使用される人 7月1日に使用される人
5月・6月・7月 4月・5月・6月
その年の10月から翌年の9月まで その年の9月から翌年の8月まで

8.賞与の手続きについて

賞与については、賞与支給の度に、「標準賞与額」を算出し、保険料率を掛けて計算します。
社会保険事務所への届出についても、これまでのように社員に支払った額を一括にして届けるのではなく、社員一人一人の額を記入し届出ることになります。内容的には、算定の届出と似た形となるようです。

ここで届けられた数値は、各人の年金額の計算や在職老齢年金の計算にも反映されます。

気をつけなくてはならないのは、前述の「4-B」にも記載しましたが、厚生年金と健康保険の上限が違っていることです。具体的には、賞与を170万円支給した場合、「標準賞与額」は、厚生年金では、150万円になりますが、健康保険では、170万円となります。

9.在職老齢年金はいつから変わるの?

平成15年4月から総報酬制が導入されますが、総報酬制による在職老齢年金の仕組みが変わるのは、平成16年4月からです。(平成16年3月支給までは、これまでどおりです。)

しかし、平成16年4月以降の在職老齢年金を計算するときには、標準報酬月額と共に、「その月以前1年間の標準賞与額」が影響されることとなっていますので、実際には、平成15年5月から平成16年4月までに支払われた賞与の額も反映されることになります。