社会保険労務士・行政書士
テクノート佐藤事務所
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賃金について

1.賃金とは

賃金、給料、手当て、賞与など名称には関係なく、会社が労働者に対して労働の対価として、支払われるものが賃金です。
2.賃金に含まれるもの、含まれないもの

(例)
@住宅の貸与・家族手当・地域手当・物価手当など一見、賃金とは思えないものであっても、労働の対価として支払われているものは賃金に含まれます。

A旅館などでチップとして受け取るものは、会社が支払うものではないので賃金には含みませんが、サービス料として頂いたものを一定期日ごとに労働者に対して支払うものは賃金に含まれます。

B労働者が病気になったときの見舞金や出産祝金、結婚祝金は、賃金には含みませんが、就業規則等で支払があらかじめ決められているものについては、会社に支払義務が発生しますので賃金に含むと言われています。

C社会保険料や税金などを会社が本人に代わって支払った場合にも、本人に利益が生じることから、この分は賃金に含まれます。

D退職金は、原則として賃金には含みません。
3.賃金の支払の5原則

賃金は次の5つの原則に従って支払わなくてはなりません。

@通貨で(現物や小切手での支払はダメです)
A直接労働者に(代理人などに支払ってはダメです。妻子など使者の場合には可)
B全額を(労働者への前貸金を事前に控除してはダメです。法令で認められた社会保険料などは可)
C毎月(毎月最低一回は支払わなければなりません)
D一定期日に(月ごとに支払日が違っていてはダメです)

(注)以上のことから残業した分や歩合給をまとめてボーナスとして支給するのことや、業績が悪いからと現物で賃金を支給することは違反です。
4.賃金からの控除について

賃金の全額払いの原則に従って、賃金から一部控除することは禁止されていますが、
次ぎの場合には一部控除が認められています。

@社会保険料や税金など法令に別段の定めがある場合
A社宅の賃貸料や社内預金、旅行積立などで、労使間の書面による協定がある場合
B就業規則などで定められている場合には、欠勤や早退などで労働していない分の賃金カット(ノーワークノーペイの原則
5.平均賃金の算出が必要な場合とは

@労働者を解雇する時に解雇予告手当を支払う場合
A会社の都合により休業する時に休業手当を支払う場合
B年次有給休暇の賃金を支払う場合
C業務災害が起った時に、補償額を支払う場合
D減給の制裁を行う場合
6.平均賃金の算出の方法は

<計算式>
平均賃金=事由発生日以前3ヶ月間の賃金総額÷3ヶ月の総歴日数

平均賃金を支払う理由が発生した日以前3ヶ月間に労働者に支払われた賃金の総額を、
3ヶ月の総日数(歴日数)で除して得た額が日額となります。賃金の締切日がある場合には、
理由が発生した日の直前の締切日前3ヶ月の賃金で計算します。もし、雇入れてから3ヶ月経っていない場合には、雇入れ後の期間で計算します。
7.賃金の総額に含まないもの

@臨時に支払われる賃金(出産手当、結婚手当、退職金など)
A就業規則や労働協約によらない現物給与(住宅、食事、衣服など)
B3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなどで年3回以内のもの)
8.日給制や時間給制の場合の平均賃金の算出方法は

期間中の賃金の総額を実労働日数で除した額の6割を、平均賃金の最低額として保障することになっています。
9.休業手当とは

会社の責任で労働者を休業させる場合には、休業日一日につき平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなくてはなりません。ただし、地震や火災など不可抗力の場合には、休業手当の支払義務は発生しません。
10.出来高払いの賃金について

仕事の出来高に応じて賃金を支払う場合であっても、労働時間に応じた賃金の支払は必要です。この場合には、最低賃金法で定められた賃金は最低でも保障しなくてはなりません。これは、完全歩合給により労働者の生活が困窮しないように会社側に一定の保障給を支払うよう義務づけたものです。(最低賃金法については「ここ」をクリックしてください)
11.割増賃金について

次ぎに該当する場合には、通常の賃金に一定率の割増賃金の支払が必要です。

@36協定よって又は非常時に法定労働時間を延長し、又は法定休日に労働させた場合
A深夜(午後10時から翌朝5時まで)に労働させた場合

(注)年俸制で賃金を定めている場合であっても、上記の場合には割増賃金の支払が必要です。
12.割増賃金の計算

<計算式>
割増賃金=基礎賃金×割増率×時間外・休日労働時間数
基礎賃金=1ヵ月の賃金総額÷1年間の1ヶ月あたりの平均所定労働時間

<賃金総額から控除するもの>
@家族手当A通勤手当B別居手当C子女教育手当D住宅手当E臨時に支払われる賃金F1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

<割増率>
@時間外労働(2割5分
A休日労働(3割り5分
B深夜労働(2割5分
C時間外労働が深夜に及んだ場合(5割
D休日労働が深夜に及んだ場合(6割

(注)休日労働が時間外になっても3割5分のままです。
13.割増賃金が必要でない場合

(例)
@一日の労働時間が7時間の会社で1時間残業した場合
A週休二日制の会社で法定休日以外の休日に労働した場合
ただし、上記の@A場合であっても週40時間を超えた時間については
2割5分増の割増賃金が必要
です。
B事前に休日の振替手続きをし、法定休日に労働した場合

(注)休日の振替(事前に休日を振替える)をした場合には、労働した日は休日にはなりませんが、代休(休日に労働し、その分を他の日に休む)の場合には、労働した日は休日扱いになり割増賃金が必要です。事前に手続きをしたかどうかが『ポイント』です。